もうすぐ3月に突入します。
色々な保育園で3月3日のひな祭り会を行うところは多いのではないでしょうか。
ひな祭りとは「桃の節句」のことで女の子の成長をお祝いする日本の行事です。
この日は、女の子が元気にすくすく育つように、また、幸せな日々を送れるように願いを込めてお祝いします。
おだいりさまとおひなさまとジェンダー
ひなまつりでは、おひなさまとおだいりさまという人形を飾るのが特徴です。
この人形たちは、古くからの日本の伝統を表していて、おひなさまは女の子を守る神様、そしておだいりさまは男の子を守る神様として大切にされています。
しかし、多様性やジェンダーの理解が深まりつつある昨今、『おひなさま=女の子』『おだいりさま=男の子』といった決めつけをしない方が良いかもしれません。
伝統文化を大切にしながらも、現代の価値観に合った工夫を取り入れるとよいですよね。
ジェンダーに配慮したひなまつりのアイデア
役割を自由に選べるようにする
- 「おひなさま=女の子」「おだいりさま=男の子」という固定観念をなくし、子どもが好きな役を選べるようにする。
- 三人官女や五人囃子の役割も自由に選べるようにし、「ひなまつりごっこ」などを行う。
- おだいりさまとおひなさまの並びについても、必ず男雛・女雛でなくてもよいことを伝える。
由来を伝えつつ、多様性を認める視点を加える
- ひなまつりの由来や意味を伝える際に、「女の子の健やかな成長を願う日」としつつ、「みんなが元気に過ごせるようにお祝いする日」として説明すると、より 包摂的な視点が加わる。
- 「桃の節句」だけでなく、「端午の節句」なども含め、性別に関わらずお祝いする文化があることを伝える。
色や装飾を多様にする
- ひなまつりの色(ピンク・赤・白・緑)を大切にしつつ、カラフルな装飾を加えて、特定の色だけを「女の子向け」と限定しない。
- ひな壇の製作や飾りつけの際に、子どもたちが自由に色を選べるようにする。
伝統と現代のバランスを考えた活動をする
- ひな人形の製作では、お雛様とお内裏様のペアにこだわらず、子どもが好きなように作れるようにする。
- 「ひなあられ」や「ひし餅」の色の意味を伝えつつ、性別に関係なく楽しめる食育活動を行う。
- 「女の子のお祭り」ではなく、「みんなで春をお祝いする日」として、全員が参加できるようにする。
ジェンダーに配慮することで、子どもたちがのびのびと楽しめるひなまつりになります。
伝統を大切にしながらも、現代の価値観に合わせた工夫を取り入れてみてください!
ひなまつりに関連する特別な食べ物
ひなまつりにはおいしいごはんも食べます。
例えば、ちらし寿司やひしもち、ひなあられのなど、特別な食べ物が出てきます。
ちらし寿司
様々な具材が色とりどりに散りばめられたちらし寿司。
具材には込められている意味があるようです。
ちらし寿司の具材に込められた意味
- えび:腰が曲がるまで長生きできるように
- レンコン:穴が開いていることから将来の見通しがよくなるように、未来に向かってしっかり進めるように
- 錦糸卵:元気に育っていけるように
- 人参:人参の赤色は幸せになってねという意味があるから健康で幸せに暮らせるように
- きゅうり:綺麗でピカピカなものという意味があるから、綺麗で元気な心が育つように
ひなあられ
ひなあられはピンク、白、緑、黄色の4色が使われることが多いです。
色にはそれぞれ意味があります。
ひなあられに込められた意味
- ピンク(桃色):春、咲き誇る花のピンク
- 緑:夏、新緑が生い茂る緑
- 黄色:秋、葉っぱが色づく黄色
- 白:冬、降り積もる雪の白
四季折々の色に例えることで、1年間を通して女の子の健康と幸せを願う意味が込められいるんですね。
ひしもち
緑・白・ピンクの三色に重ねられているのが特徴です。
それぞれの色には意味があり、女の子の健康や成長を願う願いが込められています。
ひしもちの色の意味
緑(よもぎ):邪気を払う、健康長寿
- よもぎには強い香りがあり、昔から厄除けの効果があるとされていました。
- 解毒作用があるとも考えられ、健康を願う意味が込められています。
白(ひしの実・もち米):清浄、純潔
- ひしの実は古くから滋養強壮に良いとされ、生命力を高めると考えられていました。
- 「純白」=「清らかな心」を表すとも言われます。
ピンク(くちなし):魔除け、厄払い
- くちなしの実で色付けされており、邪気を払う力があるとされました。
- また、春を象徴する色として、新しい命の誕生や女の子の健やかな成長を願う意味もあります。
ひし形の理由
- 「菱(ひし)」の形は水草のヒシの葉をかたどったもの。
- ヒシは生命力が強く、子孫繁栄の象徴とされています。
- また、ひし形には「心臓」を表す意味があり、健康を願う気持ちが込められています。
最近では、ひしもち風のゼリーやケーキなどが販売されることも多く、伝統を大切にしつつ現代風にアレンジされていますよね。
子どもたちにその意味を伝えながら、一緒に楽しんでみるのも良いですね!
絵本で伝えるひなまつり
ひなまつりの由来や意味を伝えるには、絵本がとても効果的です。
絵本を活用することで、子どもたちが楽しくひなまつりを理解できるようになります。
絵本を読むときのポイント
年齢に合わせて選ぶ
→ 0~3歳なら、ひなまつりを「楽しいお祭り」として感じられる絵本を。
→ 4~5歳なら、由来や歴史も少しずつ伝えられるストーリーが◎
読み聞かせと一緒に活動を取り入れる
→ 絵本を読んだ後に、おひなさまの製作や歌を歌うと、理解が深まる。
→ ひなまつりの食べ物(ひなあられ、ちらし寿司)を一緒に楽しむのもおすすめ!
子どもたちの意見を聞いてみる
→ 「どのおひなさまが好き?」「ひなまつりってどんなお祝いだと思う?」など、問いかけながら読むと興味を持ちやすい。
ひなまつりにおすすめの絵本
『みんなでおひなさま!』
おじいちゃんとおばあちゃんのために、こぐまのくーとまーが一緒にひなかざりを作るお話です。
いろんな動物たちもやってきて、くーとまーのために協力して素敵な雛飾りを作っていきます♪
おじちゃんおばあちゃんにも素敵な雛飾りを見せることができ嬉しいこぐまたち。
最後は動物たちも一緒にひなあられとひしもちを食べてニコニコ笑顔になります!
最後のページには折り紙でおだいりさまとおひなさまを作れるように折り方と、顔の型紙も付いています!
『ぼくやってみるよ』
くりのきえんのひな祭りのお話です。
主人公のもんちくんはいろんなことに挑戦してみたくてうずうずしている男の子。
「できるかな?」と心配しながらも、さまざまなことにチャレンジしていきます!
絵本の中で、少し怖かったり、難しかったりすることにも「ぼくやってみるよ!」と前向きな気持ちで取り組んでいく姿が描かれています。
ひな祭りは女の子が主役ですが、この絵本では男の子のモンチくんが主人公!
これもポイントです!
『ひなまつりのちらしずし』
きみちゃんのお家でひなまつりパーティー。
きみちゃんは、おかあさんといっしょに、「ちらしずし」を作ります。
おかあさんは、具材をかざりつけながら、こんな歌を歌ってくれました。
はるの のはらに なのはなさん♪
しあわせ みえるよ れんこんさん♪
くるくる はたらく おまめさん♪
じょうぶな えびさん ながいきさん♪
ちらし寿司に入っている具材の意味もお母さんが教えてくれる場面もあり、ちらし寿司の意味について学ぶことができます!
きみちゃんのお家に飾ってある3段の雛人形の絵も綺麗です!
お母さんやお友だちと一緒にひな祭りを楽しむ温かなお話になっています!
ひなまつりの一日を楽しむとともに、子どもたちの成長を願う気持ちがこめられている一冊です!
『子どもの行事 自然と生活 3月の巻』(かこさとし作)
かこさとしさんの「子どもの行事」シリーズの一冊で、3月に関連する行事や自然の変化について描かれた本です!
この本では、3月に行われる伝統的な行事や、季節の移り変わり、春の自然について詳しく紹介されています。
ひな祭りをはじめ、卒業式や春の訪れに関連した話題が取り上げられています。
かこさとしさんらしい温かみのある絵と、わかりやすくて子どもたちが季節の行事や日本の伝統に興味を持つのにぴったりです!
具体的には、ひな祭りの由来や、春に咲く花(桜など)、冬から春へと変わる風景などが描かれており、子どもたちが自然と行事の意味を学ぶことができる内容です。
また、3月の行事がどのように自然と結びついているかにも触れているので、季節感を感じることができる本です!
絵本以外に紙芝居もおすすめです
『ひなまつりにおひなさまをかざるわけ』
『おひなさまになったにんぎょう』
『なぜ、おひなさまをかざるの?』があります。
絵本を活用すると、ひなまつりの文化や楽しさを自然に伝えられます。
子どもたちの興味や年齢に合わせて、ピッタリの絵本を選んでみてください!
まとめ
ひなまつりは、女の子が元気に育つことをお祝いする楽しい日です。
伝統文化を大切にしながらも、現代の価値観に合った工夫とジェンダーに配慮した性別を意識しない、子どもの気持ちを尊重した向き合い方で素敵なひなまつりをお過ごしください。