様々な職種の社会人の方々も経験している社内研修。
社内研修とは企業が自社の社員に対して行う教育プログラムを用い、広範な視点で組織全体を向上させたり、新しい知識やスキルを身につけたりする場として効果的とされ、社内の人材が講師を務める研修を指します。
一方、保育園の園内研修とは保育の質を向上させ、職員のスキルアップや職場環境の改善を目的とし、職員間で情報共有するなど、日々の業務に直結した細かい課題解決に適した研修を指します。
今回は保育園における園内研修の実態とメリットとデメリット、具体的にどのような内容の研修があるのか。
現役保育士さんから伺ったお話をご紹介いたします。
どんな人が研修を受ける?
主任や経験豊富な保育士、研修に意欲のある保育士
→外部講師を呼ぶ研修は新しい風が吹き、職員たちの意欲にもつながります。
研修頻度は?
★毎年定期的に
★毎月月1回
★年に数回全員集まる
などなど取り組み方は園によって様々です。
※AED研修、水遊び、食事、午睡場面などの安全研修、園のマニュアル確認研修など、安全に関連するものは毎年定期的に行い、職員の意識を上げていきます。
毎月行うメリット・デメリット
メリット
・取り上げるトピックによるが定着しやすい
・年間または期間を通して取り組みやすい
デメリット
・研修を行う職員の負担が大きい
・時間確保が難しい
年に数回、全員集まるメリット・デメリット
メリット
・職員全体への周知が1度に可能
・より多くの職員の意見や思いを聞く機会となる
デメリット
・長時間になることが多く、たった1日でも負担感が大きい
・継続的に考えたり、共有する時間が持てないため、それきりになってしまうことがある
園内研修の内容例
遊びの共有
カードゲームや集団遊び手遊び、童歌など職員同士で実践し、楽しみながら遊びのレパートリーを増やす!
遊びの幅も広がり、翌日から保育に生かすことができます!
保育の共有
各クラスドキュメンテーションを用いてその月に取り組んだこと、取り組んだことによる子どもの成長などを共有!
他のクラスの保育実践を知ることで発達や成長を段階的に見ることができ、日々の保育の見直しにもなる!
ドキュメンテーションは無理なく制作できる形だと、なお良いですね!
保護者用に作成した物を使用することで一石二鳥!準備の手間も省けます。
保育内容の提案
クラスを選び、保育目標を発表してもらい、それに沿った具体的な保育活動を提案してもらう。
担任以外の視点も加わるので新たな保育活動が見えてくるかも!
職員全体で考える素敵な機会になります!
活動を考える際に行き詰まった時には活動を考える大変さも共有でき、1人で悩む辛さも軽減できます。
(特に乳児はできることが限られるので室内の活動に頭を抱える保育士も少なくないと思います)
保護者対応力向上
「保護者が保育の方針に不満を抱いている場合」、「保護者が家庭の悩みを相談してきた場合」を想定して実際の事例を基に、どのように対応すべきかグループで話し合いをしたりして、他の職員の視点を学び、対応力を広げると迅速かつ円滑に問題解決ができるようになります!
安全管理と危機対応
感染症対策
衛生管理の方法や感染症が流行した場合の対応策。
応急手当や救急法
怪我や急病時の初期対応の習得(例:心肺蘇生法、異物除去)。
災害時対応訓練
地震や火災時の避難訓練や、避難計画の見直し。
看護師さんに頼んで嘔吐処理や怪我の処置の仕方など安全・衛生面についての研修を受けたり、地域や行政の防災担当者と連携し、専門的なアドバイスを受けると役に立ちますね。
Q &Aを設ける
・保育の困った場面、子どもの対応に対して困った場面などを取り上げる!
・「あなたならどうする?」と職員同士意見交換する!
お互いの保育観や保育に対する思いなど知ることができます。
まとめ
現場の保育士さんの感覚として、毎月、または2ヶ月に1度という頻度で職員が考え、その考えを共有する場があった方が園内研修による意識向上や職員間のチームワーク向上に繋がりやすいと感じておられました。
時間も20分程度で2部制など職員を入れ替え、昼の時間に集まれると負担感も減るのでは…ということもおっしゃられています。
自分の園の状況や職員たちに学んでほしいことなど考慮し、無理なく取り入れていきたいですね!