新年度の保育士の仕事は、子どもたちと関わる以上に、避けて通れないのが保護者対応です。
新入園児の保護者は産まれてからずっと同じ時間を過ごした我が子と離れる時間が多くなることから、保育園の玄関先で泣かれてしまうと後ろ髪を引かれる気分になってしまうものです。
育休明けで久しぶりに仕事に復帰したり、新たな仕事に就いたりした保護者も多くいるため、時間的にも気持ち的にも行き場がなくなり、不安定になりやすいでしょうね。
進級児の保護者も、我が子が精神的に不安定になっていたり、前年度のお友達を恋しがったり、新しい担任がよく知らない保育士だったりすると、不安に思うことも多くあります。
その気持ちを踏まえて、保護者と関わる際に、日頃から以下の点に気を付けましょう。
情報の提供と正確性
新年度は子どもたちや保護者にとっても慣れないスケジュールや環境の変化があります。
ですから保護者に対して提供する情報は分かりやすく、正確であることが重要です。
新年度に入る際には、プログラムや方針の変更、イベントのスケジュールなどについて保護者に適切な対応をもって提供する必要があります。
コミュニケーション手段の多様性
保育士が保護者と会うのは、送り迎えのわずかな時間です。
まずは笑顔で挨拶をし、積極的に関わることで、保護者も寄り添う気持ちが強くなります。
日々の小さなコミュニケーションの積み重ねが信頼関係を作る基本です。
また多忙な保護者も多いので、コミュニケーション手段を多様化し、保護者が利用しやすい方法で情報を提供することが大切です。
例えば、メール、電話、オンラインプラットフォームなど複数の手段を使って情報を伝えることが効果的です。
しかし子どもの気になる点や問題行動などについても報告しなくてはならないときには、連絡帳などではなく、口頭で柔らかく伝えることが大切です。
「顔を負わせる機会があるのに、なぜその時に言わないのか」と不快になりやすいため、マイナスなことほど、事務的な伝え方をしないことがポイントです。
個別対応
子ども、保護者それぞれのニーズや状況に応じて個別に対応することが重要です。
保育士が子どもについて「〇〇ちゃんはこういう子だ」と決めつけたりと、最初に持った先入観で対応をすると失敗に繋がります。
また口に出さないまでも「前年度受け持った子ども」や「クラスの他の子ども」と特定の子どもを比較するような感情がよぎってしまうこともあるかと思います。保育士も人間です。そんな時に自己嫌悪に陥る事もあるのではないでしょうか。
新年度は大人も子どもも不安と隣り合わせで生活しています。
同じクラスの先生や話を聞いてくれる先生等、周りの人に相談してみては如何でしょうか?
保育という仕事は絶対に一人では出来ません。
保育園という小さな環境の中で何十人という子ども達を見守る大変なお仕事です。
その中で保護者の意見や要望を真摯に受け止め、適切なサポートを提供することで信頼関係を築きましょう。
定期的な情報提供とフィードバックの収集
新年度に入ったばかりの段階では、保護者への情報提供とフィードバックの収集が特に重要です。
どうしたら年齢に適した行動ができるか、どうしたらこの子達がこの子達らしく成長していけるかを考えることも保育士の仕事の一つです。
定期的な会議やアンケートを通じて、保護者からの意見や要望を把握し、円滑なコミュニケーションが図れるように繋げていきましょう。
トラブル対応の準備
子どもや保護者に配慮して、子どもの気持ちに寄り添い、安全に一日を過ごすことが新年度の保育には最も重要です。
しかし保育園では子どもたちや保護者からの様々なトラブルや問題が発生します。
そのため、トラブルが発生した際の対応策や連絡先を明確にしておくことが大切です。
また迅速かつ適切な対応が求められます。
そのためには一人で対処しようとするのではなく、保育士同士が互いに声を掛け合い、助け合うことが必要です。
【まとめ】
新年度が始まる4月は多忙で神経をすり減らす大変な毎日だと想像するに難くありません。
しかし同じ時間、同じ仲間と場所を共有していけば、子どもも次第に落ち着き、保育生活は穏やかになっていくことが想像されます。
身体的にも精神的にも無理を重ね、体調を崩すことがないように十分気を付けてください。
子どもの安全を最優先に考えつつ、ご自身の体調管理も大切に考え、園全体で協力し合って新年度を乗り切りましょう!!