保育士で働きながら子育てを両立させることは、課題が多く、難しいのではないかと心配になることがある思います。
多忙さゆえに「お仕事の為に自分の子どもを誰かに預け、保育園で他の家庭の子どもを預かる」という事態になるケースも十分あるかと思います。
働く女性が増え、保育園に子どもを預ける家庭が増える一方で、その家庭を支える保育園や保育士自身が両立をすることができないというジレンマの中、結果として、保育士として働き続けることを諦めて家庭に入る、もしくは他の業種への転職が必要になってしまうという事も考えられます。
保育士と子育ての両立が難しい理由
育児休業を経て保育士に復帰したにもかかわらず、子育てとの両立に限界を感じて退職を決意する人も少なくありません。
「子どもが好きで保育士になった」「保育士としての仕事が好き」という方にとっては苦渋の決断といえます。
ここからは、保育士と子育ての両立が難しいと感じる理由を解説します。
早番や遅番に対応できない
昨今、早朝保育や延長保育を実施する保育園が増加傾向にあり、大半の保育士はシフト制の時差出勤をおこなっています。
朝早くから子どもを受け入れ、夕方に退勤する早番勤務や、お昼前に出勤して延長保育を受け持つ遅番勤務などを交代で担当しています。
しかし、子育てをするとなると自身の子どもを保育園に預けてからでないと出勤できません。
子どもの保育園が勤務先の保育園よりも早く閉まる場合は、子どもの預け先がなく遅番の勤務には対応できません。
保育園によっては、家庭の事情を考慮して子育て中の保育士の時差出勤を免除するといったケースもあります。
しかし、ほかの保育士の負担が増えるため「こんなに迷惑をかけるくらいなら退職しよう」と考えることも。
このような早番や遅番への対応も、子育てとの両立を困難にしているのです。
急な欠勤や早退が難しい
子育てをしながら働いていると、子どもの体調によって急な欠勤や早退を強いられる場面に直面します。
わが子が通う保育園からのお迎えコールに、ドキドキしている方も多いのではないでしょうか。
これは、家族のサポート体制が整っていなければ避けられない問題です。
子どもが体調を崩す度に休みをもらって、ほかの保育士に迷惑をかけていると心苦しく感じるでしょう。
人手不足の保育園や担任業務を任されている場合などは、欠勤や早退を繰り返す保育士への風当たりが強いこともあります。
このような状況から「子育てが落ち着くまで仕事はセーブしよう」と考える保育士も少なくありません。
わが子を大切にしたい思いが強い
「子どもが好き」という理由で保育士を目指した女性は、同じく自身の子育てにも特別な思いを抱えていることでしょう。
保育士として、子どもの成長がどれだけ早いか理解しているからこそ、わが子を大切にしたい思いも強いはずです。
そのような子育て中の保育士は、わが子を他の保育園に預けてほかの子どものお世話をする矛盾に悩まされることが多くあります。
わが子を保育園に長時間預け、帰宅後も家事に追われて気が付いたら就寝時間になっていることも。
そのような環境では、働き方を見直したいと考えるのも無理はありません。
「もっとわが子との時間を大切にしたい」と、保育士と子育ての割合に悩む気持ちが、両立の壁となっているようです。
子育てとの両立を解決するためには
柔軟な働き方を考える
職場と相談し、柔軟な働き方を模索してみてください。
時短勤務、フレキシブルなシフト、パート勤務、派遣保育士などが考えられます。
働き方について率直に話すことが大切です。
働きやすい職場を探す
産休や育休制度が整っている園や就職先の保育園独自の育児支援制度を確認してみて下さい。
子どもを勤務先の保育園に通わせられる制度を活用するなどして、育児をするうえで無理のない勤務スタイルが確立するのも良いかと思います。
周囲のサポートを求める
パートナーや家族とのコミュニケーションが重要です。
感情や悩みを共有し、協力を仰ぐことで、心の負担が軽減されることがあります。
配偶者の育児支援を確認する
配偶者の会社の育児支援を確認しておくことは大切です。
配偶者が育児支援を受けることで、家事や育児などの分業を無理なく進めることができるかもしれません。
まとめ
子どもとの時間と保育士としてのキャリア、どちらも大切にしたいと考える方は多いのではないでしょうか?
子育てと仕事の両立は一人だけの努力ではなく、家族の協力はもちろん、職場からの理解を得ることが重要です。
勤務先を選ぶ際は子育てをしている人が多い職場や産休・育休の取りやすい職場など子育てに理解のある保育園を選ぶことが大切です。
また、お子さんとの時間を優先する際は、思い切って雇用形態を変えてみるのも方法の1つです。
一人で抱え込まず、身近な人に相談するようにしましょう。
これから出産を迎える保育士は、出産後の生活を具体的にイメージし、自分自身の想いと向き合うことが大切です。
その上で、今の職場の責任者と話し合いを行う・転職を検討するといった具体的な一歩を踏み出しましょう。