毎日気を遣って保育してるのに、また保護者対応しているのに、クレームを受けてしまったことはありませんか?
保護者などからのクレームに悩む保育士さんは多いようです。
クレームは貴重な意見として捉えることも大切かもしれませんが、突然不満や要求をぶつけられると、ドキッとさせられるし、気持ちが落ち込みますよね。
保育士さんは、クレームを受けたらどのように気持ちを切り替えているか紹介します。
- クレームを入れる保護者の心理とは
- クレーム対応に効果的な対応表現とは
- 保護者からのクレーム対応例
- 「何度もお電話しているんですよ。」
- 「お忙しいでしょうが、もっとゆっくり、話をきいてください。」
- 「前の担任のA先生のときは、こんなことはなかったわ。」
- 「去年までとやり方が違う。おかしいじゃないですか。」
- 「ほかのお母さん方も、みんなそう言ってます。」
- 「どうして、すぐに改善してくれないんですか。」
- 「あなたじゃらちがあきません。教育委員会に電話します。」
- 「園長先生はいないんですか。園としての見解を知りたい。」
- 「うちの子の気持ちを、先生は分かってくれない。」
- 「不安なので、私が毎日園へ参観に行ってもいいですか。」
- 「うちの子には、特別に配慮してほしいんです。」
- 「なぜうちの子ばかり、いろいろな仕事を担当させられるのですか。」
- 保護者からのクレーム対応例
- まとめ
クレームを入れる保護者の心理とは
保育園にクレームを入れる保護者の心理、背景とはどんなものなのでしょうか。
クレームに対応をするにも、相手、つまり保護者を知っておかなければならないですよね。
端的に言えば「自分の気持ちを受け止めてもらいたい・認めてもらいたい」と保護者は感じているのです。
①自分の子をしっかり見ていて欲しいという気持ちがある
②共働きで時間に余裕がなく疲れている
③子育てへの不安がある
④権利意識が強い
⑤保育園への期待度が高い
上記のようなものです。
保育園に子供を預けている保護者は共働きのことが多いです。
子どもが一日のうち、一番長い時間を過ごしている保育園での生活がより良いものになるように期待し、分からないことがあれば不安で仕方ないのだと思います。
保護者はクレームを言っている真っ最中は、声を荒げて鬼のように怖いかもしれませんが、心の中は悲しんでいるのです。
だから、「クレーム対応とは、保護者の不安や悲しみを聞いてあげること」なんだと思います。
そう受け止められれば、それほど恐怖に感じなくても済むと思いませんか?
クレーム対応に効果的な対応表現とは
保護者からのクレームに対しては、まずその気持ちをよくきき、受けとめることが第一です。
カッとして言い返したり、理屈で封じこめようとしてはいけません。
誠実で優しい対応はどういったものがあるのでしょうか?
シーンに分けてご紹介します。
保護者からのクレーム対応例
「何度もお電話しているんですよ。」
→お電話を頂いたのに、出張や会議などでなかなかタイミングが合わなかったようで、本当に申し訳ございませんでした。
「お忙しいでしょうが、もっとゆっくり、話をきいてください。」
→そんなふうに思わせてしまって、本当に申し訳ありません。
今度お時間を作って頂いて、ゆっくりお話しましょう。
お母さんのご都合のよい日を教えてください。
「前の担任のA先生のときは、こんなことはなかったわ。」
→A先生はベテランの先生でしたから。
私も、まだまだ未熟ではありますが、良いクラスにしていこうという気持ちは、誰にも負けないつもりです。
ご一緒に最善の解決策を考えていきたいと思います。
「去年までとやり方が違う。おかしいじゃないですか。」
→子どもたちの様子も、昨年とは少し違ってきています。
子どもたちの発達段階や成長の様子を見ながら、実態に合ったやり方をしているつもりですが、どのようなやり方がよいとお考えでしょうか。ご意見をいただければと思います。
「ほかのお母さん方も、みんなそう言ってます。」
→お母さんお一人おひとりに私の考えをお伝えし、個別に対応させて頂きます。
今後のこともございますから、よろしかったら皆さんのお名前を教えていただけますか。
「どうして、すぐに改善してくれないんですか。」
→段階を踏みながら、より良い改善策を考えておりますので、少しお時間を頂けたらと思います。
「あなたじゃらちがあきません。教育委員会に電話します。」
→解決するために力を合わせなければならないのは、親御さんと私です。
より良い解決策を探すために、もっと話し合いましょう。
「園長先生はいないんですか。園としての見解を知りたい。」
→わかりました。必ず園長に伝えます。
園長は本日不在ですので、改めてそちらのご都合をお聞きして、園長より説明させて頂きます。
「うちの子の気持ちを、先生は分かってくれない。」
→私としては、B子ちゃんの気持ちに寄り添い、共感的に受けとめるようつとめているつもりでいましたが、B子ちゃんがもしそのように感じてしまったのなら、担任としてまだまだ頑張らないといけません。
「不安なので、私が毎日園へ参観に行ってもいいですか。」
→お母さんのお気持ちはよく分かります。
C男さんにとってそれが最善の方法か、もう少し様子を見てみましょう。
もしかしたらC男さんにとって、大きく成長する絶好のチャンスかもしれません。少しお時間をください。
「うちの子には、特別に配慮してほしいんです。」
→親御さんは、みなさん「わが子は特別に」と思っていらっしゃるかもしれません。
でも、一人だけ特別ということになると、ほかの子どもに不公平感を持たせてしまうかもしれません。
D子さんにとっても、それはあまりよいことではないと思います。どうぞご理解ください。
「なぜうちの子ばかり、いろいろな仕事を担当させられるのですか。」
→そんなつもりはなかったのですが、E男さんはとても責任感があって、しっかりしているので、
どうしても信頼して頼んでしまったのかもしれません。
でも、クラスのみんなのために仕事をしてくれるE男さんは、本当にすばらしいです。
【参考】
教育技術MOOK『COMPACT 64 保護者対応12か月』より
まとめ
保育士にとって保護者は、上手に信頼関係を築かないといけない相手であり、とても気を遣いますよね。
保育士にとって保護者のクレーム対応は絶対に避けては通れない道です。
どんなにベテランの保育士でも、新人の保育士でもクレーム対応には苦労をしています。
ですが、正しい心構えと正しい対処を覚えれば、クレーム対応は保護者との良好な関係を築くチャンスに生まれ変わります。
この記事をきっかけに、多くの保育士さんにとってクレーム対応が「大変なもの」から、「大変だけど必要なもの」に変われば幸いです。