縦割り保育は、保育園で異なる年齢グループの子供たちが一緒に過ごす保育スタイルです。
近年少子化の影響もあり、取り入れている園が増えてきています。
ここでは【縦割り保育のメリット・デメリット】に加え、【縦割り保育に取り組む際の注意点】、【縦割り保育の遊びアイデア】もお話していきます。
縦割り保育のメリット
①社会性の発達促進
異なる年齢の子供たちが一緒に遊ぶことにより、コミュニケーションや協力のスキルを身につける機会が増えます。
年長者が年少者に対してリーダーシップを発揮することで、社会的なルールや責任感を学ぶことができます。
②学びの幅が広がる
年齢の異なる子供たちが同じ環境で過ごすことで、自然と交流し、お互いに学びを得る機会が増えます。
年長者が年少者に教えることで、教える側も学びを深めることができます。
また、年齢の異なる子供たちが一緒に活動することで、異なる視点やアイデアを共有することもできます。
③共感や思いやりの育成
年齢の異なる子供たちが一緒に過ごすことで、共感や思いやりの気持ちが育まれます。
年長者が年少者の世話をすることで、思いやりや優しさを発揮する機会が増えます。
また、年少者も年長者の行動や言動を見て学び、共感の心を養うことができます。
④自己肯定感の向上
年長者が年少者に対して教えることや助けることで、自己肯定感が向上することがあります。
年少者が年長者から学ぶことや助けを受けることで、自信をつけることができます。
また、自分が教える側となることで、自分の能力や知識を確認し、成長を感じることもできます。
以上が縦割り保育のメリットです。
異なる年齢の子供たちが一緒に過ごすことで、多くの学びや成長の機会が提供され、社会性や思いやりの心が育まれます。
縦割り保育のデメリット
①保育士の負担
縦割り保育は、子供たちの年齢によってグループ分けをする必要があります。
保育士は、異なる年齢の子供たちのケアや指導を行う必要があるため、負担が大きくなる場合があります。
②安全面の問題
年齢の異なる子供たちが一緒に過ごすことで、年少者が年長者についていけない場合があります。
また、年長者が年少者をいじめたり、無理やり遊びに参加させたりすることがある場合もあります。
保育士は、年齢の違いによる問題を予防するため、細心の注意を払う必要があります。
③活動の調整が必要
年齢の異なる子供たちが一緒に過ごす場合、適切な活動の提供が必要です。
年長者にとっては、年少者と一緒に遊ぶことが物足りない場合があるかもしれません。
また、年少者にとっては、年長者が理解できないような遊びをすることができない場合もあります。
保育士は、それぞれの年齢に合わせた適切な活動を提供する必要があります。
④教育の質の維持が難しい
年齢の異なる子供たちが一緒に過ごすことで、年長者にとっては物足りない活動や年少者にとっては理解できない内容の指導が生じることがあります。
保育士は、それぞれの年齢に合わせた指導を行い、教育の質を維持することが必要です。
以上が、縦割り保育のデメリットの一部です。
適切な対策を行うことで、デメリットを克服し、子供たちの健やかな成長を促すことができます。
縦割り保育に取り組む際の注意点
①年齢差を考慮する
縦割り保育では、年齢が異なる子どもたちを同じ保育室で保育するため、年齢に応じた適切な保育を行う必要があります。
例えば、乳児と幼児を同じ部屋で保育する場合、乳児の安全を確保するために注意が必要です。
②スペースの確保
縦割り保育を行う場合、年齢ごとに別のスペースを設けることが望ましいです。
また、各年齢層の子どもたちが十分に遊べるように、スペースの広さや遊具の配置などを考慮する必要があります。
③スタッフの配置
縦割り保育では、年齢に応じた適切な保育を行うために、スタッフの配置が重要です。
幼児や乳児には、十分な見守りが必要ですので、スタッフの数や配置について検討する必要があります。
④コミュニケーションの重視
縦割り保育では、年齢が異なる子どもたちが一緒に過ごすことになるため、コミュニケーションが重要です。
子どもたち同士の交流を促すために、遊びの時間を設けたり、スタッフが中心となってコミュニケーションを取るなどの工夫が必要です。
⑤安全管理
縦割り保育では、年齢差があるため、子どもたちの安全に十分注意する必要があります。
例えば、幼児や乳児が使用する遊具やおもちゃについて、安全面を考慮して選定する必要があります。
以上の点に留意しながら、縦割り保育を行うことで、年齢が異なる子どもたちが一緒に過ごすことによって、社会性やコミュニケーション能力の発達を促すことができます。
縦割り保育の遊びアイデア
①共同の制作活動
年齢に関係なく、子どもたちが一緒に参加できる制作活動を行います。
例えば、大きな紙に絵を描いたり、粘土で形を作ったりする活動です。
年齢に応じて難易度を調整し、子どもたちが協力して制作することで、交流や協調性を促します。
②グループゲーム
年齢を混ぜたチームを作り、協力して遊ぶゲームを行います。
例えば、バルーンバレー(バルーンを使ってネット越しにバレーボールをする)、障害物リレー、パラシュート遊びなどです。
年齢に合ったルールや難易度を調整し、協力やチームワークを養います。
③サークルタイム
全ての子どもたちが一緒に座り、歌や手遊び、絵本の読み聞かせなどを行います。
年齢に応じた内容を選び、子どもたちが一緒に楽しめるように工夫します。
④自由遊びの促進
年齢ごとに用意された遊びスペースや遊具を設置し、子どもたちが自由に遊べる環境を提供します。
年齢別にグループを作ることで、安全性を確保しながらも自己表現や創造力の発揮ができるようにします。
⑤交流イベント
年齢が異なる子どもたちが一緒に参加できる交流イベントを企画します。
例えば、運動会やお祭りのようなイベントで、年齢別のチームを作り、さまざまな競技やゲームを行います。
年齢に合った役割分担や協力プレーを通じて、子どもたちの絆を深めます。
これらのアイデアを参考にしながら、年齢が異なる子どもたちが楽しく交流できる遊びを提供することが大切です。
また、子どもたち自身の意見やアイデアを取り入れることも大切です。
縦割り保育は年長者が年少者に手助けや教えを行うことで、社会性や共感力を養い、年少者は年長者を見習うことで、成長のモデルとなることが期待されます。
また異なる年齢層が一緒に遊びや活動を行うことで、子どもたちのコミュニケーション能力や協調性、自己表現力の発達にも繋がる保育方法のひとつです。
園児たちが充実した園生活を送り、一人ひとりの個性が育まれるよう、縦割り保育を通じて成長を支えていきましょう。
